竜田川図鐔
無銘
赤銅石目地竪丸形高彫色絵象嵌
縦 65mm 横 56.1m 切羽台厚さ 3.5mm
(耳 2.7mm)
千早ぶる 神代もきかず 龍田川
からくれないに 水くくるとは
(古今和歌集)
平安朝の歌人在原業平が、川面を真っ赤に染める紅葉の鮮やかな情景を、「神代もきかず」つまり「神々の代にも聞いたことのないような」と劇的な感動をもって歌い上げている名歌である。この古歌を題に採った流水に浮かぶ色鮮やかな紅葉の光景を「竜田川」と称する。
石目地仕立の赤銅を背景に、金、銀、そして緋色の素銅で色彩鮮やかに描かれた主題が一際引き立っている。