平造脇差
銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日

Hira-zukuri Wakizashi
Shoji Jiro Taro NAOKATSU
Ansei 4 nen 8 gatsujitsu


武蔵国 安政四年 百六十四年前 五十四歳作

刃長 一尺二寸五分四厘
反り 一分九厘強
元幅 一寸
重ね 二分二厘

金着一重ハバキ 白鞘付

黒石目地塗鞘脇差拵入
拵全長 二尺二分二厘強
柄長 四寸八分五厘

平成二十一年新潟県登録
特別保存刀剣鑑定書

価格 八十五万円(消費税込)

Jiro Taro NAOKATSU (Born: 1805, Bunka 2) Owari Musashi province
Forged in 1857(Ansei 4, late Edo period)
164 years ago

Hacho (Edge length) 38㎝
Curvature approx.0.6cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) 3.03㎝
Kasane (Thickness) 0.68㎝
Gold foil single Habaki / Shirasaya

Kuro ishime-ji nuri saya, wakizashi koshirae
Whole length:61.3cm
Hilt length: approx.14.7cm

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

Price 850,000 JPY

 次郎太郎直勝は文政二年に十五歳(注①)で荘司大慶直胤に入門し、江戸下谷御徒町の直胤宅(注②)で寝食を共に修業に励み、後に直胤の娘婿となる。備前伝と相州伝の名手として知られ、師直胤に勝るとの評(注③)もある。
 この脇差は、安政四年に備前長舩兼光を範に精鍛されたと鑑せられ、寸法を控えめに身幅広く両区深く重ね厚く、浅く先反が付いた、南北朝期の大平造を想わせる力強い姿。地鉄は小板目肌が詰み澄み、微細な地沸が均一に付き、地肌が透き通るが如き美しさ。互の目丁子乱の刃文(注④)は尖りごころの刃、片落ち風の刃、房状の刃、腰開きごころの刃を交え、飛焼かかって多彩に変化し、新雪のような小沸で刃縁が明るく、柔らかな匂足が左右に開くように射し、立ち込めた匂で刃中に霞が立つ。帽子は焼を充分に残して乱れ込み、やや突き上げて小丸に返る。茎は保存状態が優れ、未だに底白く輝き、細鑚で入念に刻された銘字には鑚枕が立つ。名工次郎太郎直勝の特色が顕著で、出来優れた一振となっている。
 壇渓渡河図縁頭、三条小鍛冶図目貫が付された脇差拵に収められている。

注①文化二年上総国山辺郡台方村花輪(東金市)の生まれ。本名伊藤正勝。占い師は正勝少年に「金物を取扱う業につけば、将来の成功間違いなし」と言ったという(『東金市史』)。

注②現在の台東区上野五丁目1番地11(福永酔剣先生『刀工遺跡めぐり三三〇選』)。なお江戸切絵図に「庄司ミノ平」と表記がある。

注③『日本刀工辞典新刀篇』参照。

注④よく似た刃文構成の、「於越後國水原造之」の添銘のある嘉永五年八月日紀の刀(第二十四回重要刀剣)がある。

平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日黒石目地塗鞘脇差拵 刀身 平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日 白鞘

平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日 差表切先平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日 差表ハバキ上

平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日 差裏切先平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日 差裏ハバキ上

 

平造脇差 銘 荘司次郎太郎直勝 安政四年八月日 ハバキ