腰五分刻黒石目地塗鞘脇差拵(逆刃刀)
(刀身はありません)


Koshi go-bu kizami Kuro ishime-ji nuri saya,
Wakizashi koshirae


拵全長 一尺九寸三分
柄長 四寸七分一厘

つなぎ刃長 約八寸五分八厘
内反り
元幅 約八分七厘
重ね 約二分三厘
茎長 約三寸六分三厘

刀身はありません

価格 三十五万円(消費税込)

Whole length:approx. 58.5cm
Hilt length: approx.14.3cm

Tsunagi-Hacho (Edge length): 26㎝
Curved go to inner (Uchizori)
Motohaba (Width at Ha-machi): approx.2.63㎝
Kasane (Thickness): approx.0.7㎝
Nakago length: approx. 11cm

This koshirae has no sword.

Price 350,000 JPY

 人気漫画家・和月伸宏先生の『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』。主人公緋村剣心は飛天御剣流の達人で、電光石火の剣を振るい、幕末最強の刺客として鳴らし、またの名を「人斬り抜刀斎」。殺生の数々を悔いた剣心は維新後、剣を捨てて流浪の旅に出る。不殺の信念を込めた逆刃(さかば)刀(とう)と共に・・・。
 表題の脇差拵は、鞘の形状とつなぎを見るに、刃方が棟に、棟方が刃となり、即ち刃と棟が逆となる所謂、逆刃刀。そのまま抜き放って切り付けても、刃は自身に向かい相手を切ることは困難で、殺生とは真逆の思いが込められている。拵は親粒大きな白鮫皮包の柄には伊勢海老図目貫が附され、渋い色合いの素銅地の縁も山道に伊勢海老図で、鞘は独特の形状で先細く、先端に烏帽子形の鉄鐺が附され、海老鞘風の造形で、柄頭は梶葉に菊花短冊図、鐔は素銅に赤銅で熨斗図と金の宝珠図に、裏が注連縄図で、長い齢を寿ぐ御祝差の風情。しかし波に蛇篭図栗形は鐔元から指三本のところに位置して素早く鯉口を切って抜き放つに適し、腰元の五分刻は美観を高めると共に滑り止めとなり、武用への備えは充分。小柄は四ツ目結紋が金銀の布目象嵌で据えられ、拵全体を引き締めている。逆刃の脇差を収めた瀟洒な拵は如何なる武士が所持したものであろうか。また難解な需に応えた刀工と鞘師・柄巻師の苦心の程を偲ばせる稀有(注)の作である。

注:千葉県白井市の、幕政時代に牧士と伝える旧家から発見された短刀は刃と棟が通常とは逆で、刃長は七寸二分六厘。前代未聞の「逆刃刀」として話題になった(『千葉日報』二〇一四年三月)。馬の爪切りの名目で牧士が差したという説や実用等、用途を巡り諸説紛糾。白井市郷土資料館で展示されている。

腰五分刻黒石目地塗鞘脇差拵腰五分刻黒石目地塗鞘脇差拵腰五分刻黒石目地塗鞘脇差拵 つなぎ(逆刃刀)