下総国　百五十七年前

刃長 二尺二寸六分
反り 四分
元幅 九分二厘　／　先幅 五分六厘
重ね 二分三厘
金着二重ハバキ　白鞘入

昭和４９年京都府登録（36465号１月21日）
特別保存刀剣鑑定書

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Shimousa province / Bunkyu 2 (late Edo period, AD1862), 157 years ago

Hacho (Edge length) approx. 68.48cm / Sori (Curveture) approx.1.22cm
Motohaba (width at Ha-machi) approx. 2.79cm / Sakihaba (width at Kissaki) approx. 1.7cm
Kasane (thickenss) approx.0.7cm

Gold foil double Habaki, Shirasaya

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

　細川忠義(ただよし)は幕末の名工細川正義の次男として文化十二年下野国鹿沼に生まれる。美作国津山藩工の父と共に同藩に仕え、嘉永二年父の元から独立、下総国佐倉藩工となる。その作風は師伝を継承した備前伝。ここにみられる刀は太刀拵に収められていたものであろうか、身幅を控えて腰反りが高く付いた、鎌倉時代の作を見るような優雅な姿。地鉄は小板目肌が微塵に詰み、腰開きごころの互の目丁子乱刃は、丁子の足が左右に開き、正義譲りの鍛法が駆使された優品。
忠義は総州佐倉に十一万石を領した徳川譜代の臣堀田氏に仕えた。嘉永六年の黒船来航以降、堀田正睦は老中首座として内外の難局に当たり、その跡を継いだ正倫も「文久大勢一変」と呼ばれるほどに政局の主導権が幕府から京都朝廷を取り巻く志士集団に引き摺られる中、佐幕派の最右翼を担っい、鳥羽・伏見の戦後、謹慎した将軍慶喜の身を案じ、幕閣の多くが保身に走って手を拱く中、慶喜の助命嘆願のため勇躍兵を率いて京へ迫る気骨を示した。この刀は文久二年以後、どのような転変を経て今日ここにあるのであろうか。