江泌月光読書図鍔(鐔) |
江戸時代後期 常陸国水戸 |
四分一地を別名朧銀地という。文字を見ただけで情景が思い浮かぶ美しい名称だ。月光を表現するのに最適の金属である。南康の王子琳に侍講として仕えた江泌(こうひ)は若い頃貧しく、昼は敷き藁を切る仕事で生計を立て、夜は月明りを追って本を読み学んだと伝えられている。そこここに濱野派の影響を強く感じさせる構成と技法。崩れかけた窓から身を乗り出して光を求める江泌の姿に胸を打たれる。水戸金工打越弘壽一門の作品である。 |
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