車に臥牛図透鍔(鐔) |
江戸時代中期 長門国 鉄地丸形肉彫地透毛彫 |
大振りでほぼ真丸形に造り込まれた地鉄は黒々として鍛え良く力強い。切羽台を囲んで車輪を、その上に荷車、下には伏せて休む牛を配した優れた画面構成。すっきりとした直線の交差で表された荷車に対し牛は肋骨や腰骨が浮き出た抑揚のある写実的な肉彫りで、雲州の春田毎幹を想起させる。引綱の描く曲線も面白い。耳に施された綾杉文の毛彫は近隣の石州や雲州などの影響であろうか。鉄質優れ、しかも趣のある作である。 |
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