木賊刈り図二所
無銘 後藤廉乗

江戸時代中期
山城国京都─武蔵国江戸

赤銅魚子地高彫色絵裏板金哺

小柄本体
長さ:98mm 幅:12.2mm
全体長さ(小刀穂含む):215mm


長さ:212mm 幅:12.2mm

上製落込桐箱入

保存刀装具鑑定書(無銘 廉乗)
 木賊を刈る手を止めて振り仰いだ視線の先には月が輝いているのであろうか。涼やかな目の後藤家独特の顔立ちをした人物。描写は丁寧で詳細である。木賊を掴む手はしっかりと握りしめられ、指の一本一本に爪が彫られていて、鎌には刃が付いている。紋は高く際端が絞られ肉感豊かに立体的。青味を帯びて渋く輝く銀色絵が美しい。漆黒の魚子地はわずかに揺らぐ廉乗独特の調子。節を作って表面に細く毛彫を入れた木賊は強くしなやかな様子で、艶やかな赤銅と金色絵の対比が鮮やか。小柄には小刀穂が附され、笄はやや細身で端正な眉形に蕨手が形良く彫られている。小柄笄とも厚くかけられた金哺が豪華である。謡曲木賊刈りを主題に据えてはいるが、後藤宗家らしい様式美に同時代の町彫りの台頭から影響を受けた新味が加えられ清新の気風を感じる。
木賊刈り図二所 無銘 後藤廉乗

木賊刈り図二所無銘 後藤廉乗

木賊刈り図二所 無銘 後藤廉乗

木賊刈り図二所 無銘 後藤廉乗

木賊刈り図二所 無銘 後藤廉乗

木賊刈り図二所 無銘 後藤廉乗

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