流水に雁透鍔(鐔)
無銘 赤坂二代忠正 |
江戸時代前期 武蔵国江戸 |
中高で厚手の造り込み、耳の一部に粒状、筋状の鉄骨を表した地鉄は力強く骨太な印象。呼応するかのように配された帆掛船と雁の翼と嘴で結ばれた小柄櫃に遊び心がうかがえる。切羽台を挟んで左から右へ、吹く風や流れる水の透模様が視線を誘導し、画面に大きな動きが生じている。赤坂二代忠正と極められた本作。鉄を自在に操る確かな技術があるからこそ映える新しい意匠に瞠目する。伸びやかで明るく、自由な空気が満ちている。 |
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