火縄銃図笄
無銘 古後藤
桃山時代 山城国京都
赤銅魚子地高彫金蕨手
長さ:232mm 幅:13.3mm
上製落込桐箱入

附保存刀装具鑑定書(古後藤)
ご成約を賜りました
  火縄銃は後藤家三代乗真の時代に渡来した最新の武器であった。後藤家の作品には伝統的な武具や道具の他、当時の最新の武器などが描かれることが多い。時代の覇者に仕え、別格の扱いを受けていた後藤家の人々は、珍しいもの、新しいものに触れ、それを仔細に観察する機会にも恵まれていたのであろう。わずかな手勢を率いて浅井軍と戦い、戦死した乗真などは、ことさら最新の武器に強い関心を示したのではないか。火縄銃は、伝来直後から研究が進められ、わずか二、三年にして精度の高い試作品が完成されたといわれる。「ものづくり大国日本」の歴史は浅くはないのである。表題の作は、赤銅地を中高のふっくらとした地造りとし、一段鋤き下げた額内にはっきりした魚子を撒き、肉高く量感豊かに主題を彫り表している。火薬入れの瓢箪、玉入れの角、弾丸まで高彫にて彫り添えられている。武具を描くことによってそれを護り神とした武家に好まれたであろうことは想像に難くない。
火縄銃図笄 無銘 古後藤

火縄銃図笄 無銘 古後藤

火縄銃図笄 無銘 古後藤

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