30 梅樹 彫仙壽
表 櫃中梅樹浮彫 裏 「梅花和雪香」文字


銘 美州津山住廣清作 平成九年初春 刃長 九寸四厘

『柳村仙壽平成の刀身彫刻』所載


 櫃の底を細かな石目地仕立とし、梅樹を浮彫にして花びらの芯に金象嵌を施した斬新な彫法である。裏の「梅花和雪香」の意を鑚で表したものであろうか、石目地は淡雪にも見立てられ、そこに咲き誇る梅花はこれに和し、馥郁たる香りを放っている。仙壽のみが成し得る別天の世界である。

  

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