影蝶透鍔(鐔)
銘 八代 甚吾作 六十五歳 茂永 |
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「八代甚吾作 六十五歳 茂永」と行年銘を添えた在銘品で、特徴的な茎穴の形からもそれとわかる甚吾茂永の作である。細川三斎公の歌仙拵にかけられた古正阿弥作で知られる、蝶の形を影透かししたという影蝶透は室町時代からある古い意匠であるが、抽象的でまるで現代美術を見るような新鮮味がある。全体は下部が張った障泥形、切羽台から耳に向かって肉を落とした碁石形。滑らかで艶のある平地と土手耳の境にある細い真鍮の線象嵌が全体を引き締めてアクセントになっている。茂永は技量高く、創造力に溢れた志水家の掉尾を飾る名工。
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