刀 天田昭次 新潟県豊浦村 人間国宝 四十八歳作
|
天田昭次師は昭和二年新潟県北蒲原郡本田村(現新発田市)の産。十三歳で上京し、栗原昭秀に師事。戦後は講和記念刀や伊勢神宮式年遷宮の太刀を鍛え、昭和二十九年に作刀承認を受け、作刀技術発表会で優秀賞を受賞。古名刀への憧れから昭和三十四年に鋼造りの研究に着手し、苦難の末に製鋼の手応えを掴み、同四十三年以降は特賞を連続受賞している。昭和四十七年に無鑑査となった後も鉄素材の選択、鍛錬と焼入技術の研究を深化させ、現代刀匠の最高栄誉の正宗賞(注@)に三度輝き、平成九年には人間国宝に指定され、現代刀界に偉大な足跡を遺した。 注@…正宗賞は新作名刀展出品作中で、最優秀として特筆すべき場合に授与される特賞。天田氏は昭和五十二年に山城伝、六十年に相州伝、平成八年に備前伝と各々異なる作風で正宗賞を受賞したこと |
Ginza
Choshuya All Rights Reserved