短刀
昭和四十年東京都登録
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兼常は直刃に名作多しとの評(注)がある、室町時代の美濃の優工である。遺作に中川左平太試銘入の本多忠勝の子忠為所持の脇差(『刀剣銘字大鑑』)の他、備中の戦国武将三村氏の家臣石川久智所持の天文兼常の短刀(『日本刀工辞典』『所持名のある末古刀』)があり、また天正十二年には小牧、長久手の戦に臨む家康の需で槍百筋を鍛えたと伝え(『刀剣銘字大鑑』)、切れ味と威力に武将の信頼は殊に篤く、孫六兼元や兼定に匹敵する実力と知名度を誇った。 注…『室町期美濃刀工の研究』に「特に直刃を好んで焼き多くの名作を残している」とある。二尺二寸五分の直刃調の刀が重要美術品に指定されている。 |
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