短刀
刃長 八寸 Edge length; 24.2cm
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久幸は天明六年幕臣川井鎗次郎久尊の長男として生まれた。遠江を本国とする同家の遠祖は元亀頃に徳川家康に仕え、大番を勤めて五百石の禄を食み、久幸の家は分家で禄八十石。部屋住の修業時代には若い情熱を剣術と学問に注ぐ一方で鍛刀に強い関心を持ち、細川正義の門を叩いた。正義と親しく交わったことで久幸の中で作刀の異才が覚醒、堅固な刀槍を打つに至ったのである(注@)。 注@…遺作に「効古伊能由虎所好形」と銘した万延元申年十二月紀の七十五歳打ちの十文字鎗がある。由虎は宝蔵院流槍術の達人伊能矢柄の子。 |
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