両刃造短刀
銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作
天正五年二月吉日
(業物)

Moroha zukuri Tanto
Bizen no kuni ju Osafune Genbe no jo Sukesada saku
Tensho 5 nen 2 gatsu kichijitsu

備前国 天正 四百四十一年前 

刃長 七寸九分 Edge length; 24cm
元幅 七分八厘 Moto-haba(Width at Ha-machi); 2.38cm
重ね 二分五厘 Kasane (Thickness); 0.77cm
金着二重ハバキ 入れ子式白鞘付
Gold foil double Habaki / Shirasaya (Nesting scabbard)
昭和六十一年岡山県登録

堅木柄鞘合口短刀拵入 Kata-ki tsuka saya, aikuchi tanto koshirae
拵全長 一尺二寸四分 Whole length; 37.6cm
柄長 一寸強 Hilt length; 3.12cm

特別保存刀剣鑑定書 Tokubetsu-hozon certicficate by NBTHK

価格 2,300,000円(消費税込)

 備前國長舩祐定は、優れた品質と鋭利な刃味で、戦国期の中国地方のみならず天下にその名を知られた作刀技術集団。中でも源兵衛尉祐定は与三左衛門尉の次世代の名手(注@)で、その需主には備前天神山城の浦上宗景、備中鶴首城の三村家親ら有力武将が多い。当時、備前では鎬筋を立てて刃と棟双方に焼刃を設けた両刃造が盛行しており、源兵衛尉は与三左衛門より受け継いだ秘術を尽して鋼に挑み、両刃造短刀の名品(注A)を数多く遺している。
表題の両刃造短刀は、身幅広く鎬筋が凛然と立って断面が菱形状に重ね厚くふっくらとし、鋒が菖蒲の葉の如く鋭利で力強い造り込み。小板目鍛えの地鉄は入念な鍛えで不純物の一切が叩き出され、小粒の地沸が均一に付いて透き通るような鉄色。浅い湾れに互の目丁子を交えた焼高い刃文は、清らかな小沸で刃縁が明るく冴え、沸匂が充満して照度の高い刃中に射す足や葉を遮るように金線と砂流しが掛かり、さらに太い沸筋が流れ加わって物打付近は変幻自在に変化し、帽子は焼深く強く沸付き、殊に鋒の最先端に刺突の威力が集約されて機能美が完成されている。茎の保存状態は完璧で、鑚当たりの強い銘字が鮮明。美しい沸で包まれて地刃が蒼く冴えた逸品で、組打戦への備えは勿論、自身の潔い最期の為にこの短刀を所持した武将のダンディズムを偲ばせている。
銀地の菊花図筒金が渋く映えた堅木柄鞘の合口拵に収められて伝来(注B)している。

注@…永禄十二年八月紀の重要美術品の刀がある。
注A…七寸三分二厘の皆焼出来の両刃造短刀(二十八回重要)、天正四
年二月吉日紀の両刃造短刀(『銀座情報』三百七十九号)がある。
注B…白鞘は入子式で大切に伝えられた事がわかる。

両刃造短刀 銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作 天正五年二月吉日刀 大磨上無銘 手掻包清堅木柄鞘合口短刀拵 刀身 両刃造短刀 銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作 天正五年二月吉日両刃造短刀 銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作 天正五年二月吉日 白鞘

両刃造短刀 銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作 天正五年二月吉日 切先表両刃造短刀 銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作 天正五年二月吉日 刀身ハバキ上表


両刃造短刀 銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作 天正五年二月吉日 切先裏両刃造短刀 銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作 天正五年二月吉日 刀身区上差裏



両刃造短刀 銘 備前國住長舩源兵衛尉祐定作 天正五年二月吉日 ハバキ

 

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