月見観瀑図大小鐔
銘 菊川南甫[印]
武蔵国江戸小石川 江戸後期
赤銅磨地竪丸形高彫色絵象嵌
大 縦75.7mm 横69.5mm
切羽台厚さ4.5mm
小 縦72.4mm 横66.5mm
切羽台厚さ4.6mm
特製落込大小桐箱入
made of Shakudo
Large (Dai)
Length 75.7mm, Width 69.5mm, Thickness 4.5mm
Small (Sho)
Length 72.4mm, Width 66.5mm, Thickness 4.6mm
Special DaiSho Kiri Box
Price 700,000 JPY
この大小鐔は李白の詩を題材とした作。小鐔は、酒を友に深山に分け入り廬山の瀑布を眺めた李白が主題。一方大鐔は、「擧頭望山月(頭を挙げて山月を望み) 低頭思故郷(頭を低れて故郷を思ふ)」と詠んだ「静夜思」に取材した図。
極上の赤銅地は清く澄んで透明感があり、山水の手法で瀧と遠く霞む月を高彫に金銀の象嵌で精巧に彫り描いている。南甫の得意とした木々の茂る様子など添景の描写も精密で、細かな鏨を打ち込む処方に妙味が感じられる。