雨龍図鐔
無銘 甚五
江戸中期 肥後国
鉄地泥障形鋤彫布目象嵌
縦81.5mm 横79mm
切羽台厚さ 3mm
特製落込桐箱入
made of iron
Length 81.5mm, Width 79mm, Thickness 3mm
Special Kiri Box
Price 400,000 JPY
鉄地を泥障形に造り込み、表面に鍛えた鎚の痕跡を遺して雲の起ち込める天空に見立てたものであろう、素材が呈する景色が迫力に満ちている。土手耳とせず、耳際に銀布目象嵌を施し、龍神は甚五の作品に間々みられる強く草体化したもので巴状の構成。薄肉に彫り込まれて銀の布目象嵌が施され、その消え入りそうな様子や、時を重ね黒化して地鉄と混じり合った様子も甚五の魅力。
甚五の極めは初二三代に用いられ、後代は甚吾とされる。