刃長 一尺八寸一分一厘
反り 二分三厘
元幅 一寸一分
先幅 八分
重ね 二分三厘
素銅地二重ハバキ 白鞘入
令和二年愛媛県登録
特別保存刀剣鑑定書
Hacho (Edge length) 54.9㎝
Sori (Curvature) approx. 0.7㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx. 3.33㎝
Saki-haba(Width at Kissaki) approx.2.42㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.7㎝
Suaka double Habaki / Shirasaya
助高は寛永十八年(注①)信濃国の産。兄助宗と共に津田助廣に入門し、師の向鎚を勤めて鍛刀技術を修得。「備後福山住」と銘した作から延宝頃には備後福山城下に移住(注②)とみられるが、「摂刕住助高」と師助廣の丸津田風に刻された天和元年八月日紀の刀(注③)もあり、主に大坂で鍛刀していたと推考される。江戸後期の鑑定家鎌田魚妙は助廣を新刀第一と絶賛しているが、弟子の助高についても「能出来たるハ助廣に劣らざる物有」(『新刀辨疑』)と高く評価している。
この脇差は助廣の直刃出来を想起させる優品で、身幅広く両区深く重ね厚く中鋒に造り込まれた、伸びやかで力強い直線的な姿。地鉄は小板目肌が詰み澄み、細かな地景が網状に入って緻密に肌目起ち、地沸が均一に付いて晴れやかな鉄色。刃文は直刃が僅かに湾れ、刃縁に新雪のような小沸が厚く付いて刃縁明るく、小足が無数に入り、差裏区上に沸筋が流れ、匂立ち込めて刃中に霞が立つ。帽子は焼深く残し、小丸に品良く返る。茎の保存状態は良好で、入山の茎形、目釘穴下の鎬地の細鑚の銘字は師助廣と同じで、殊に助の字は助廣のそれに酷似。助高の篤実な人柄と技量の示された作となっている。