一ツ藤巴紋蒔絵刀筒  


全長 三尺九寸
茶漆塗金銀盛上蒔絵


Details

"Hitotsu Fuji-domoe" mon makie Katana-zutsu


Whole length 118cm


 刀筒は、参勤交代などの大名行列において藩主の名刀を運ぶために用いられた保存運搬具であるが、刀の格に応じて、しかも御家が明確にわかるよう家紋などの華やかな装飾が施されたものが多い。

本作は、薄く仕立てた木地に漆を掛け、表面をしっとりとした光沢のある茶潤塗に仕上げ、全面に十三の一ツ藤巴の家紋(注①)を、金粉に銀粉を加えることによりグラデーションを付けた盛上蒔絵で描き表した、重厚で落ち着きのある作(注②)。金具は真鍮地。

注①…田代氏、岩井氏、倉地氏、山崎氏、安藤氏、などが用いた(『家紋辞典』より)。

注②…所々に漆の欠落がある。


一ツ藤巴紋蒔絵刀筒一ツ藤巴紋蒔絵刀筒