水月図縁頭銘 後藤光邦(花押)
水月景図縁頭 銘 後藤光邦(花押)
後藤光邦(悦乗)は程乗の子で理兵衛家の初代。加賀前田家に出仕し、加賀金工発展の礎となった。
この大振りの縁頭は、武術の極意を暗示する波に三日月図。赤銅魚子地は後藤家の基礎を成すもので、ここに激しく打ち寄せる波を銀で、波にもまれるように存在感を示す月を鮮やかな金色絵で表している。代の上がる後藤家の在銘の縁頭は極めて稀(注)。
注…後藤家は小柄、笄、目貫の製作を専らとした。