桜文散図鐔
 銘 桂宗隣(花押) 壽八十歳作

江戸時代後期 武蔵国江戸 芝新銭座

鉄石目地木瓜形高彫打返耳
縦八二・八mm 横七七·八mm  切羽台厚さ五mm

特製落込桐箱入
特別保存刀装具鑑定書

二十五万円(消費税込)

Details

Tsuba
"Sakura"
(Cherry blossom design)

Sig. Katsura SORIN [Kao] Toshi 80 sai saku


late Edo period
Edo city, Musashi province
made of iron
Length 82.8mm Width 77.8mm Thickness 5mm
Special Kiri Box
Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK


Price 250,000JPY


 霞に包まれた春の空を穏やかに染める桜花。我が国の自然観を背景に意匠したもので、良質の鉄地を浅い切り込みの木瓜形に造り込み、地面を鋤き込んで打ち返し耳風に変化をつけ、さらに石目地を施して朧な空気感を演出するとともに、浮雲のように鋤彫を加え、桜の紋所をくっきりと浮かび上がらせている。鉄色黒く、石目地によってしっとりとした味わいがあるだけでなく、実用の上での力強さも窺える。

 桂宗隣は水戸の生まれ。横谷英精、桂永寿に学び、業成って江川利政と銘し、後に桂家を継承して久留米藩有馬家の工となった。 


 

桜花散図鐔 銘 桂宗隣(花押) 壽八十歳作

桜花散図鐔 銘 桂宗隣(花押) 壽八十歳作