福神相撲図目貫
割短冊銘 山崎一賀
布袋和尚が恵比寿様のまわしを掴んで投げようとしている。米俵に腰をかけた大黒様は行事。なんとお目出たい場面であろうか、江戸時代には福神相撲や大黒舞などが神社に奉納され、正月が彩り豊かに演出されたのである。この図は我が国の伝統文化を伝えるもの。
山崎一賀は仁左衛門と称し京の後藤就乗の門人。精巧で緻密な人物描写を得意とし、本作のように後藤に紛れる古風な彫口の作品を遺している。
赤銅地を打ち出し強くふっくらとした高彫とし、金銀の色絵を加え、人物の描写も後藤風。