巣籠鶴透図鐔
無銘 西垣
江戸時代中期
肥後国
鉄地変り形毛彫地透
縦 71mm 横 67.8mm 切羽台厚さ 5.5mm
上製落込桐箱入
保存刀装具鑑定書(西垣)
鍛え強く色合い黒々として光沢のある鉄味が魅力の鐔。肥後を代表する勘四郎など造形美を得意とした西垣の作と極められている。
切羽台に比較して耳際がわずかに薄手の碁石状の造り込みで力が感じられ、表面が微細な石目地でねっとりとした質感があるのも魅力。松樹を抱くような鶴の意匠が優れている。
松樹の複雑な透かしの線と、流れるような鶴の翼の対比も美しく、鶴の身体を包む毛彫の線も活きている。