脇差 銘 賀州住兼若(又助)
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兼若二代は名を辻村又助といい、慶長十五年に初代兼若(越中守高平)の三男として生まれた。美濃出身の初代が仕えた草創期の加賀前田家は、織田信長側近で槍一筋に生きた前田利家を初祖とし、江戸時代、徳川将軍家の縁戚となるも尚武の氣風が強く、刀の刃味に対する要求は高く頻りに試刀を行っている。前田家の意を汲んだ又助は、寛永五年に没した父から譲り受けた鍛冶場と秘伝を守り、独自の工夫も加えて利刀を打ち、加州兼若の名を高めたのであった。 |
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