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短刀 銘 兼貞
天文八年二月日




Tanto
KANESADA
Tenbun 8 nen 2 gatsubi



美濃国 天文八年 四百八十一年前
Mino province, Tenbun era (AD1539, late Muromachi period), 481 years ago

刃長 七寸四分五厘 Edge length; 22.6cm
内反り僅少 a little curved go to innner (Uchizori Kinsho)
元幅 六分五厘 Moto-haba(Width at Ha-machi); approx. 1.97cm
重ね 一分八厘 Kasane (Thickness); approx. 0.55cm
彫刻 裏 二筋樋 Engraving: "2 suji Hi" on the back face (Ura)
金着二重ハバキ 上製白鞘入 上研磨
Gold foil double Habaki / Shirasaya

平成十二年長野県登録
特別保存刀剣鑑定書
Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

 兼貞は山城国達磨正光の末孫で、室町中期の文明頃、美濃国蜂屋に移住したことから蜂屋関の呼称がある。通常みる永正、大永の三代と、天文年紀のある四代の作は、いずれも詰み澄んだ地鉄に直刃や乱刃の冴えた出来であり、技量高く知名度は高いが年紀作は極めて少ない。
 表題の短刀は天文八年二月日紀が刻された作(注@)。鎌倉時代の山城来國俊を念頭に精鍛され、棟を真に仕立て、身幅重ね充分で、内反りが僅かに付き、ふくら枯れごころの端正な姿。丈比べに刻された差裏の細樋もバランス良く腰元に映える。地鉄は小板目に板目を交えて深く錬れて詰み、地底に地景が蠢き、刃区の焼出しから霧のように立ち上った関映りは先へ行って乱れごころとなり、温潤味ある美しい肌合。直刃の刃文は浅く揺れ、小沸が付いて刃縁が明るく、刃中は匂が敷かれて霞立つように澄む。帽子は浅く乱れ込み、掃き掛けて長めに返る。細かな檜垣鑢が掛けられた茎の保存状態は良好で、銘字(注A)が入念に刻され、裏年紀は殊に貴重。明治、大正、昭和の時代の数寄者も心を揺さぶられたであろう佳品である。

注@…『鑑刀随録』に伊東子爵家伝来の天文十二年八月吉日紀の短刀、『室町期美濃刀工の研究』に天文拾八年八月吉日紀の短刀が載せられている。
注A…兼の字は之定によく似ている。すなわち、之定の「兼」の銘字は第二・第三画の鑚が連れて同じ方向へ向かい、九画目の鑚が下から上へ、続く十画以降が一列になる(『室町期美濃刀工の研究』)が、本作も同様の銘形。因みに『日本刀銘鑑』では三代兼貞を和泉守兼定初代門としている。

短刀 銘 兼貞 天文八年二月日    短刀 銘 兼貞 天文八年二月日短刀 銘 兼貞 天文八年二月日 白鞘

 

 

短刀 銘 兼貞 天文八年二月日 切先表     短刀 銘 兼貞 天文八年二月日 刀身ハバキ上表


 

短刀 銘 兼貞 天文八年二月日 刀身差裏切先    短刀 銘 兼貞 天文八年二月日 刀身ハバキ上差裏

 

  短刀 銘 兼貞 天文八年二月日 ハバキ

 

 

兼貞押形

 


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