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左右雪笠透図鐔 無銘 柳生 江戸時代中期 尾張国 鉄地丸形地透 縦 70.4mm 横 69.9㎜ 切羽台厚さ 5㎜ 特製落込桐箱入 保存刀装具鑑定書(柳生)
Tsuba "Sayu Kasa" sukashi no sign: YAGYU early Edo period / Higo province made of iron Size; 70.4mm×69.9mm×5mm Special Kiri Box Hozon certificate by NBTHK (Yagyu)
鍛え強く固く叩きしめられた鋼は柳生鐔の本性。柳生鐔は、柳生連也厳包が新陰流剣術の極意を鐔の図案に表し、尾張鐔工に製作させたものと言われている。小振りに引き締まって、実用に適した構造の本作は、その合せ鍛えの層状の景色が耳の周囲に現れて靭性の高さが窺え、さらに地面にも鍛えの痕跡が遺り、鐔全体が穏やかな鉄骨のように感じられる。意匠は雪を被った笠を想わせる櫃穴のみ。簡潔な透かしながら、武に通じる意味を備えているように思われる。
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