太刀
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理想の鉄を求めて製鉄のための小型炉まで製作した天田昭次刀匠。本名は誠一といい、山本五十六元帥の佩刀を鍛えた(注@)名工天田貞吉の子で、昭和二年八月四日の生まれ。父没後は十三歳にして栗原彦三郎の日本刀鍛錬伝習所に入門、戦中戦後の刀工不遇時代においても、「砂鉄を集め、鉄を作り、刀にする」の一念に徹し、昭和二十九年に作刀承認を受けている。三十年の第一回「作刀技術発表会」では優秀賞を受賞(注A)、三十二年、三十三年と優秀賞を連続受賞の後は、鎌倉、南北朝時代の名刀の再現に必要な鉄作りに専念すべく十年の雌伏の時を過ごしている。この間、病とも闘い、心技両面の辛苦を強いられたが、昭和四十三年に復活、以降三度の正宗賞の受賞を経て平成九年に重要無形文化財保持者認定の栄誉に浴している。 |
Ginza
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