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脇差 銘 備州長舩盛光
應永廿六年二月日
(大業物)



Wakizashi
Bishu Osafune MORIMITSU
Oei 26 nen 2 gatsubi
(O Wazamono)



備前国 応永二十六年 六百一年前
Bizen province, Oei 26 (AD1419, early Muromachi period), 601 years ago

刃長 一尺七寸一分六厘 Edge length; 52cm
反り 四分五厘 Sori (Curvature); approx. 1.36cm
元幅 九分一厘強 Moto-haba(Width at Ha-machi); approx. 2.76cm
先幅 六分三厘強 Saki-haba(Width at Kissaki); approx. 1.91cm
棟重ね 二分一厘半
鎬重ね 二分三厘 Kasane (Thickness); approx. 0.7cm
金着二重ハバキ 白鞘付
Gold foil double Habaki / Shirasaya

黒蝋色塗鞘脇差拵入Kuro ro-iro nuri saya, wakizashi koshirae
拵全長 二尺四寸四分 Whole length: approx. 74cm
柄長 五寸三分 Hilt length: approx. 16.1cm

昭和二十六年山形県登録
特別保存刀剣鑑定書
Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

 

 三十四年の長きに及んだ応永。前半期の将軍は三代足利義満、後半はその子四代義持で、治世が安定し、鹿苑寺金閣に代表される北山文化が栄えた。盛光はその頃活躍した備前刀工。理想の武家政治再建の風に励まされ、鎌倉期の一文字や長舩長光などの名工を範に、清く澄んだ地鉄の直刃や乱刃の溌溂たる作を手掛け、今も「応永備前」と尊称され、愛刀家に珍重されている。
 茎を短く仕立てたこの脇差は、咄嗟の場合に素早く抜いて応戦するべく太刀に差し添えた打刀。重ね厚く、腰反り高く中鋒の小太刀を想わせる優美な姿。地鉄は平地鎬地を問わず板目に盛光特有の応永杢を交えて詰み、小粒の地沸が厚く付いて刃文の影のような映りが立つ。腰開き互の目の刃文は、丁子、焼頭の丸いむっくりとした刃、袋形の刃、小互の目を交えて多彩に変化し、匂勝ちに小沸が付いて刃縁ふっくらと明るく、細かな金線、砂流し微かに掛かり、匂足入り、刃中には細かな地沸の粒子が充満して晴れやか。帽子は焼深くよく沸づき、乱れ込んで小丸に返る。茎は保存優れ、細鑚の銘字の線が清く澄み、表裏から穿たれた目釘穴も古風。
 大身の武家で式正の大小の小刀として用いられた作であろう、艶やかな黒蝋色塗の鞘と漆黒の赤銅地に金龍の映えた金具が豪壮華麗な、脇差拵が附帯している。

脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日    脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日黒蝋色塗鞘脇差拵 刀身 脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日 白鞘

 

 

脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日 切先表     脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日 刀身表中央脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日 刀身ハバキ上表


 

脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日  刀身差裏切先    脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日 刀身差裏中央脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日(大業物) 刀身ハバキ上差裏

 









脇差 銘 備州長舩盛光 應永廿六年二月日 ハバキ  

 

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