刀装具
鉈豆透図鐔 無銘 薩摩 江戸時代後期 薩摩国 鉄地変り形肉彫地透 縦 72.5mm 横 69.2㎜ 切羽台厚さ 5.5㎜ 特製落込桐箱入 保存刀装具鑑定書(薩摩)
Tsuba "Nata-mame" sukashi no sign: SATSUMA late Edo period / Satsuma province made of iron Size; 72.5mm×69.2mm×5.5mm Special Kiri Box Hozon certificate by NBTHK (Satsuma)
写実味に溢れてしかも力強さが加わった鉈豆は、薩摩に栄えた小田直香およびその一門が得意とした図柄。薩摩特産であり、食用、薬用と利用され、種が大きく実鞘が太く、強く反った鉈豆は腰刀を思わせるところからも、薩摩武士に好まれたようだ。鍛え強いこの鐔は、鉈豆そのままに量感のある実と葉、傍らを巻き上がる生命感と動きのある蔓、その繊細な先端、総てが彫口深く立体的で、鉄色黒く渋い光沢に包まれている。腰に帯びて障りがない小振りな造り込みは、操作性を重視する示現流剣術に則ったものである。
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