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短刀 銘 備州長舩能光
延徳二年八月日


Tanto
Bishu Osafune YOSHIMITSU
Entoku 2 nen 8 gatsubi



備前国 延徳二年 五百二十九年前
Bizen province, Entoku2 (AD1490, late Muromachi period), 529 years ago

刃長 六寸四分六厘強 Edge length; 19.6cm
内反り Curved go to inner (Uchizori)
元幅 六分七厘強 Moto-haba(Width at Ha-machi); approx. 2.03cm
重ね 二分 Kasane (Thickness); approx. 0.61cm
金着一重ハバキ 白鞘入
Gold foil single Habaki / Shirasaya


平成十四年岡山県登録
特別保存刀剣鑑定書
Tokubestu-hozon certificate by NBTHK

 

室町中後期の備前長舩には、守護大名赤松氏に仕えた勝光や宗光を筆頭に、忠光、祐定、清光などの刀工集団が活躍している。この繁栄の陰には主要刀工の向槌を勤めることが多かったとみられる是光や通光などの高い技術があり、ここに紹介する能光もそのような脇を固める一人であった。銘鑑によれば康正の初代、延徳の二代、永正の三代があるというも、自身銘の刻された現存の遺作は極めて稀であり、質の良い地鉄を選別したものであろう、特に丁寧に鍛えられた本作は特別な注文に他ならない。
 この短刀は、身幅重ね尋常に、わずかに内反りの付いた端正な造り込み。地鉄は小板目肌に板目と柾ごころの肌を交えて詰み、細かな地沸が微塵に付いて地肌潤い、山裾を流れゆく霞のような映りが鮮明に立って焼刃に迫る。直刃の刃文は浅く湾れて小互の目を交え、刃縁に小沸が付いて匂口締まりごころとなり、二重刃、打ちのけが掛かって一部喰い違うなど繊細に働き、匂で澄んだ刃中には小足が無数に入る。丸みのある帽子は横に展開し、返りを長く焼き下げて刀身中程まで棟焼とする。これに伴って地中には飛焼状の湯走りが入り、創意を越えた景色が生み出されている。長めに仕立てられた茎には銘字が太鑚で強く刻され、長の字の第六画が跳ね上がって釣針の如き形状となる銘形は右京亮勝光や彦兵衛忠光ら長舩一流工と同然(注)。能光の技量の全貌が示された、鑑賞要素の濃密な優作となっている。

注…第二十回重要刀剣に延徳三年二月日紀の刃長一尺八寸二分八厘の脇差がある。淡く映り立つ地鉄に腰開きごころの互の目を焼き、出来は勝光や宗光の乱出来の作例そのもの。

短刀 銘 備州長舩能光 延徳二年八月日    短刀 銘 備州長舩能光 延徳二年八月日短刀 銘 備州長舩能光 延徳二年八月日 白鞘

 

 

短刀 銘 備州長舩能光 延徳二年八月日 切先表     短刀 銘 備州長舩能光 延徳二年八月日 刀身裏区上    

 

短刀 銘 備州長舩能光 延徳二年八月日 刀身切先裏 短刀 銘 備州長舩能光 延徳二年八月日 刀身区上裏

 

 

  短刀 銘 備州長舩能光 延徳二年八月日 ハバキ

 

 

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