短刀 銘 備州長舩能光
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室町中後期の備前長舩には、守護大名赤松氏に仕えた勝光や宗光を筆頭に、忠光、祐定、清光などの刀工集団が活躍している。この繁栄の陰には主要刀工の向槌を勤めることが多かったとみられる是光や通光などの高い技術があり、ここに紹介する能光もそのような脇を固める一人であった。銘鑑によれば康正の初代、延徳の二代、永正の三代があるというも、自身銘の刻された現存の遺作は極めて稀であり、質の良い地鉄を選別したものであろう、特に丁寧に鍛えられた本作は特別な注文に他ならない。 注…第二十回重要刀剣に延徳三年二月日紀の刃長一尺八寸二分八厘の脇差がある。淡く映り立つ地鉄に腰開きごころの互の目を焼き、出来は勝光や宗光の乱出来の作例そのもの。 |
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