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脇差 銘 濃州関住兼定作(之定初期銘)
(最上大業物)



Wakizashi
Noshu Seki ju KANESADA saku ("Nosada" shoki-mei)
(Saijo O Wazamono)



美濃国 文明頃 約五百三十五年前
Mino province, Bunmei era (late 15th century, mid Muromachi period), about 535 years ago

刃長 一尺六寸八分五厘 Edge length; 51.1cm
反り 五分 Sori (Curvature); approx. 1.52cm
元幅 八分九厘 Moto-haba(Width at Ha-machi); approx. 2.7cm
先幅 六分 Saki-haba(Width at Kissaki); approx. 1.82cm
棟重ね 一分八厘
鎬重ね 二分強 Kasane (Thickness); approx. 0.61cm
金着二重ハバキ 白鞘付
Gold foil double Habaki / Shirasaya

松葉色漆変り塗鞘脇差拵入Matsuba-iro urushi kawari nuri saya, wakizashi koshirae
拵全長 二尺三寸五分 Whole length: approx. 71.2cm
柄長 五寸七分 Hilt length: approx. 17.3cm

昭和三十七年東京都登録
特別保存刀剣鑑定書(之定初期銘)
Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK ("Nosada" shoki-mei)

 最上大業物に列せられる切れ味で遍く知られる兼定は、美濃国のみならず室町時代中後期の刀工を代表する同時代最大の技術者。明応九年八月紀の作から、定の銘字を草体の定に改めており、これ以前の真字を用いている作を疋定と呼び慣わしている。戦国時代における刀は、「折れず曲がらず良く斬れる」の語が残されているように技術開発が進んでおり、同じ最上大業物作者の孫六兼元に比較して地鉄が細やかであるのが兼定の特質とされている。
 この脇差は、「文明四年八月日」紀の兼定最初期の銘に似ており、兼定研究の上でも貴重な資料と言い得る作(注)。太刀の添え差しとされたものであろうか、片手で打ち振るに適した寸法で、鎬がわずかに張り、茎も短めに掌中に収まり良い造り込み。小板目鍛えに板目を交えた地鉄は肌目が強く表れ、これに明瞭な関映りと地沸が働いて堅物にも打ち勝つ靭性を備えて美濃刀の本質が示されている。殊に区から起ち上がるように地に広がる映りは霧の起ち込めるように濃淡変化に富み、肌目に沿って帯状に流れる景色を備え、物打辺りでも激しく乱れて凄みがある。刃文は匂口の締まった浅い直刃が湾れ、所々に小模様の互の目が働き、帽子も浅く湾れ込んで先小丸に返る。小沸に匂の調合からなる焼刃は明るく、刃縁には細やかな沸のほつれが掛かかって一部喰い違いとなり、匂が立ち込めて透明感のある刃中には淡い小沸の足が小模様に入る。
宇治川合戦図縁頭、黄石公と張良図目貫小柄を備えとした、奇麗な拵が附されている。

注…年紀作は文明四年八月日に始まり、永正六、七年頃に和泉守を受領、大永六年正月吉日までの年紀作が遺されている。『室町期美濃刀工の研究』。

脇差 銘 濃州関住兼定作    脇差 銘 濃州関住兼定作松葉色漆変り塗鞘脇差拵 刀身 脇差 銘 濃州関住兼定作脇差 銘 濃州関住兼定作 白鞘

 

 

脇差 銘 濃州関住兼定作 切先表     脇差 銘 濃州関住兼定作 刀身表中央脇差 銘 濃州関住兼定作 刀身ハバキ上表


 

脇差 銘 濃州関住兼定作 刀身差裏切先    脇差 銘 濃州関住兼定作 刀身差裏中央脇差 銘 濃州関住兼定作 刀身ハバキ上差裏

 









脇差 銘 濃州関住兼定作 ハバキ  

 

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