銘 本行七十余歳打

Katana
MOTOYUKI Nanajuyo sai uchi


豊後国‐肥前国 享保頃 約三百年前

刃長 二尺二寸七分五厘
反り 七分三厘
元幅 一寸三厘
先幅 六分九厘
棟重ね 二分三厘強
鎬重ね 二分一厘
彫刻 表裏 棒樋掻通し

金着二重ハバキ 白鞘付

貝殻塗込鞘打刀拵入
拵全長 三尺二寸
柄長 七寸五分

『新刀集 刃文と銘字』所載

平成九年東京都登録
特別保存刀剣鑑定書 (肥前)

価格 百三十五万円(消費税込)

Bungo-Hizen province
Kyoho era (AD1716-1735, mid Edo period)
about 300 years ago

Hacho (Edge length) 69㎝
Sori (Curvature) approx. 2.21㎝
Motohaba (Width at Ha-machi) approx. 3.12㎝
Sakihaba(Width at Kissaki) approx.2.09㎝
Kasane (Thickenss) 0.7㎝
Engraving: "Bo-hi kaki-toshi" on the both sides
Gold foil double Habaki / Shirasaya

Kaigara nurikome saya, uchigatana koshirae
Whole length: approx. 97cm
Hilt length: approx. 22.7cm

Put on "Shinto-shu Hamon to Meiji"

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK
(Hizen province)


Price 1,350,000JPY

 豊後國行平の末裔と称した本行は、承応二年豊後国高田の産。初銘を行春と切り、延宝頃に肥前に移住して唐津藩に仕え、河内大掾を受領した。元禄頃には江戸に出(注①)て鎌倉の伊勢大掾綱廣と交わり相州伝の鍛法を修め、さらに本阿弥家を訪ねて自作を問い、技量を認められて「本」の字を授かり、本行と改銘。晩年「本」の字をこぼれ松葉の如く切(注②)ったことから「松葉本行」の異名で呼ばれている。
 「七十余歳打」と刻されたこの刀は、享保十年代の老練の一刀。身幅広く重ねしっかりとして棒樋が掻き通され、反り高く中鋒の垢ぬけた姿。綾杉鍛えの地鉄は鍛着面が密に詰んで地沸厚く付き、地景が太く大きく働いて脈動する地肌が浮かび上がる変化に満ちた肌合。直刃調の刃文は小沸が付いて匂口明るく、鍛え目に感応して焼刃がうねり、金線が断続的に走って自然な起伏を成し、地刃の働き合いが絶妙。焼深い帽子にも鍛え肌が現れ、浅く乱れて小丸に返る。茎は手置き優れ、「本」の字を松葉に似せた銘が、鑚使いも軽やかに飄々と刻されて味わい深い。
 青貝を微塵に散らした上に淡紫灰色の貝殻を塗り込めた鞘の拵は、江戸人の粋を今に伝えて貴重である。

注①…松平大学頭頼貞(水戸光圀の甥。奥州守山藩主)が鐔・縁頭を安親に製作させた拵(特別重要刀装)に付された元禄十一年紀の刀は江戸での精鍛作。

注②…『古今鍛冶備考』参照。

刀 銘 本行七十余歳打刀 銘 本行七十余歳打貝殻塗込鞘打刀拵 刀身 刀 銘 本行七十余歳打刀 銘 本行七十余歳打 白鞘

刀 銘 本行七十余歳打 差表中央刀 銘 本行七十余歳打 差表切先刀 銘 本行七十余歳打 差表ハバキ上

刀 銘 本行七十余歳打 差裏切先刀 銘 本行七十余歳打 差裏中央刀 銘 本行七十余歳打 差裏ハバキ上

 

刀 銘 本行七十余歳打 ハバキ

本行押形