大磨上無銘 千代鶴守弘

Katana
no sign. (O-suriage)
Chiyozuru MORIHIRO


越前国 南北朝後期至徳頃 約六百三十年前

刃長 二尺三寸
反り 七分
元幅 九分六厘
先幅 七分一厘
棟重ね 二分
鎬重ね 二分二厘

彫刻 表裏 棒樋丸止・添樋掻流し
金着二重ハバキ 白鞘入

昭和二十六年東京都登録
特別保存刀剣鑑定書 (千代鶴守弘)

価格 百三十五万円(消費税込)

Echizen province
Shitoku era (AD1384-13873, late Nanboku-cho period about 630 years ago )

Hacho (Edge length) 69.6㎝
Sori (Curvature) approx. 2.12㎝
Motohaba (Width at Ha-machi) approx. 2.91㎝
Sakihaba(Width at Kissaki) approx.2.15㎝
Kasane (Thickenss) 0.67㎝

Engraving: "Bo-hi, maru-dome, Soe-hi, kaki-nagashi"
on the both sides
Gold foil double Habaki / Shirasaya

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK
(Chiyozuru Morihiro)

Price 1,350,000PY

 國安は来國俊の弟國末の孫と伝え、越前に移住して一家を成した。これが越前来で、別名を童名に因んで千代鶴丸。守弘は國安の子で文和頃の工に始まり、至徳の二代、応永の三代と続いた。日本海に面して京にも程近い越前は戦略上の要衝の一つで、建武三年に覇権を巡って南朝の新田義貞と北朝の斯波高経が激突。守弘は両朝の勇士激突の狭間で懸命に鎚を振るったのである。
 千代鶴守弘と極められたこの刀は、大磨上げとされてもなお身幅広く先幅も充分に残り、重ねは尋常、輪反り高く鋒が鋭く延び、棒樋の丸止めに連樋が掻かれ、南北朝時代の雄大な姿の名残を感じさせる作。板目に杢を交えて縮緬状に細やかに揺れた地鉄は深く錬れて詰み、肌目を強調するように地景が躍動し、微塵の地沸が厚く付き、平地全面に淡く沸映りが立ち、鉄色晴れ晴れとしている。直刃の刃文は小模様の互の目を交えて浅く湾れた、穏やかで品の良い構成。小模様ながら抑揚変化し、刃縁良く沸付いて明るく、わずかに湯走り、小形の金線、砂流し掛かり、小足、葉盛んに入り、足の一部は茎方に傾いて所謂京逆足の態を見せ、刃中は沸匂充満して照度が高い。帽子は良く沸付き、表は浅く湾れ込み、横に展開しわずかに返り、裏は乱れ込み、火焔状に掃き掛けて浅く返る。最上の研磨が施され、京物の美点と覇気が存分に発揮され優品となっている。

注①…越前府中住と伝え、武生に千代鶴神社と千代鶴之池、敦賀にも千代鶴の井などがある。また、千代鶴の呼び名が目出度いと好まれたという(福永酔剣先生『日本刀大百科事典』)。

注②…応永を降らないとされる在銘の遺作に比べて姿、地刃の出来は一段と古色が感じられる。

刀 大磨上無銘 千代鶴守弘刀 大磨上無銘 千代鶴守弘刀 大磨上無銘 千代鶴守弘 白鞘

刀 大磨上無銘 千代鶴守弘 差表切先刀 大磨上無銘 千代鶴守弘 差表中央刀 大磨上無銘 千代鶴守弘 差表ハバキ上

刀 大磨上無銘 千代鶴守弘 差裏切先刀 大磨上無銘 千代鶴守弘 差裏中央刀 大磨上無銘 千代鶴守弘 差裏ハバキ上

 

刀 大磨上無銘 千代鶴守弘 ハバキ

 

守弘押形