西行遊行柳図鐔銘 正光(花押)
Tsuba "Saigyo yugyo-yanagi" Sig. MASAMITSU (Kao)
西行遊行柳図鐔 銘 正光(花押)
歌枕を訪ねて奥州へと向かう途中の、那須野(現栃木県那須町)において「道の辺に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ」の歌を詠んだ西行を彫り描いた作。柳の下に疲れを癒し、再び北を目指して歩き始めようと、草鞋を締め直す自然な姿を捉えている。
鉄地を細やかな石目地に仕上げ、正確な構成の高彫に金、赤銅、朧銀の象嵌を加えて写実味を高めている。
正光は林英三郎と称し会津正阿弥派の鐔工。山水風の構成で洒落た風合いの鐔を遺している。