脇差
銘 尾崎源五右衛門助隆
寛政十年二月日

Wakizashi
Ozaki gengoemon SUKETAKA
Kansei 10 nen 2 gatsubi


摂津国 寛政十年 三十七歳作 二百二十二年前

刃長 一尺六寸九分三厘
反り 二分七厘
元幅 一寸五厘半
先幅 七分九厘
棟重ね 二分三厘
鎬重ね 二分四厘
金着二重ハバキ 白鞘入


昭和三十四年京都府登録
特別保存刀剣鑑定書

価格 九十五万円(消費税込)

Settsu province / Kansei 10(AD1798, late Edo period) / 222 years ago

Hacho (Edge length) 51.3㎝
Sori (Curvature) approx. 0.82㎝
Motohaba (Width at Ha-machi) approx. 3.2㎝
Sakihaba(Width at Kissaki) approx.2.4㎝
Kasane (Thickness) approx.0.73㎝
Gold foil double Habaki / Shirasaya


Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

Price 950,000JPY

 津田越前守助廣の創案になる濤瀾乱刃は美しさと優れた刃味で一世を風靡し、刀剣史に燦然と輝いている。その後、江戸の水心子正秀や手柄山正繁などが巨人助廣に挑んで成果を上げているが、別けても尾崎源五右衛門助隆は最右翼に位置付けられよう。宝暦三年に初代助廣と同じ播磨国に生まれた助隆は、助廣が秘術の限りを尽くし情熱を燃やした大坂の地で修業して独立。本歌の塁を摩す濤瀾乱刃の数々を手掛けている。
 この脇差は助隆の特色が顕著でしかも出来優れた一振。身幅広く、重ね厚く、鎬筋の線が立ち、反りを控えた中鋒の、張りのある姿。地鉄は小板目肌が詰み、小粒の地沸が均一に付いて肌潤い、冴え強く大坂地鉄の優質を鮮明にしている。得意の濤瀾乱の刃文は、高さの異なる互の目の二つ三つと連れた片男波が元と先双方から押し寄せ、中ほどでぶつかって波頭を立てる助隆特有の構成で、焼頭が丸みを帯びて刃中の玉刃となる。焼刃は白雪のような粒子の揃った小沸が深く厚く付いて匂口が明るく冴え、焼の谷には足が入り、刃中は匂で澄みわたる。帽子は端正な小丸返り。茎は化粧鑢が施された筋違鑢で丁寧に仕立てられ、鎬筋から棟寄りに草書風の銘字が、裏には表銘より一字上がった位置から寛政十年の年紀が刻されている点も助廣に倣ったもの。助隆の技量が遺憾なく発揮された優脇差である。

注…この年の十二月十九日に長門守を受領している。

 

脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日 白鞘

脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日 差表切先脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日 差表中央脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日 差表ハバキ上

脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日 差裏切先脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日 差裏中央脇差 銘 尾崎源五右衛門助隆 寛政十年二月日 差裏ハバキ上

 

忠廣 押形