平造脇差 銘 阿波守藤原在吉(業物)
茶石目地塗小さ刀拵入 Cha ishime-ji nuri, chisa gatana koshirae
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阿波守在吉は堀川國廣の門人。國廣は天正末年に故郷日向飫肥を出て諸国を巡り、慶長初め頃に京一条堀川に定住し、慶長四年八月洛北岩倉の幡枝八幡宮に自作太刀を奉納し、慶長十二年十一月には豊臣秀頼の北野天神奉納太刀を手掛け、当代随一の刀工として大成した。在吉には慶長二年九月吉日紀の傑作刀があり(注@)、京都定住以前から國廣と行動を共にしていた事は明らか。威風堂々の刀姿、輝く沸、奔放な焼刃、鑚当たりの強い銘字とすべてに個性的な最古参の門人である(注A)。その遺作は稀有ながら、在吉のみならず國廣を研究する上で極めて重要な存在である。 注@…第十八回特別重要刀剣。弊社旧蔵。 |
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