銘 藝州住出雲大掾正光

慶應四年三月日

Katana
Geishu ju Izumo daijo MASAMITSU
Keio 4 nen 3 gatsubi



安芸国 慶應四年 六十七歳作 百五十一年前
Hizen province, worked in Keio 4 (AD1868, late Edo period, 67 years old) 151 years ago

刃長 二尺三寸四分 Edge length; 70.9cm
反り 四分六厘 Sori (Curvature) approx.1.39cm
元幅 一寸二厘強 Moto-haba(Width at Ha-machi); approx. 3.09cm
先幅 七分二厘半 Saki-haba (Width at Kissaki); approx. 2.2cm
棟重ね 二分四厘半
棟重ね 二分六厘強 Kasane (Thickness); approx. 0.79cm
金着二重ハバキ 白鞘入
Gold foil double Habaki / Shirasaya

昭和四十九年東京都登録
特別保存刀剣鑑定書
Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

価格 800,000 円(消費税込)

 正光は名を石橋兵七といい、享和二年に安芸国山県郡高野村(現広島県山県郡芸北町)の刀工正長の子として生まれる。文政十二年五月に出雲大掾を受領(注)し、天保八年に独立した。その後、江戸初期から大谷川を利用した製鉄業が栄えて炭となる森林資源にも恵まれた隣村移原に移住。良鋼を以て広島藩家中の刀を打ち、また主君浅野侯に刀槍を献上している。
この刀は、身幅広く、両区深く重ね厚く、反り頃合いについて中鋒延びごころに、手持ちずしりと重く截断の威力を感じさせる造り込み。緻密に詰んだ小杢目鍛えの地鉄は、小粒の地沸が厚く付いて細かな縮緬状に肌目が起ち現れ、鉄色は晴れやか。直刃の刃文は微かに小互の目を交えて浅く揺れ、差表の物打付近には飛焼が掛かり、帽子は焼を充分に残して沸付き、小丸に形よく返る。焼刃は小沸が付いて刃縁明るく、刃中にも微細な沸の粒子が充満し、光を強く反射して蒼く冴える。茎の保存状態は良好で、平地だけでなく棟にも香包鑢が掛けられ、筋違鑢の処理は丁寧で細かく、太鑚で銘字が謹直に刻されている。鳥羽伏見の戦の後、有栖川宮を総裁に東征軍が進発した慶応四年、新時代を切り拓かんとした武士が恃みとした雄刀である。

注…地元の木村八幡宮神主佐伯薩摩守の紹介で神道宗家の京都の吉田氏と縁を結び、出雲大掾を受領したという(『広島藩の新々刀』参照)。

刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日 白鞘

刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日 切先表刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日 刀身中央表刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日 刀身ハバキ上表


刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日 切先裏刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日 中央裏刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日 刀身ハバキ上差裏

  刀 銘 藝州住出雲大掾正光 慶應四年三月日 ハバキ

 

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