吉祥文散図鐔
銘 金剛斎月山


江戸時代後期 山城国京都
鉄地竪丸形鋤下高彫象嵌
縦 67.2mm 横 60.5㎜ 切羽台厚さ 4.3㎜
特製落込桐箱入


保存刀装具鑑定書

Tsuba
"Kissho mon" chirashi
signature: Kongosai GASSAN

late Edo period / Kyoto city, Yamashiro province
made of iron, inlay
Size; 67.2mm×60.5mm×4.3mm
Special Kiri Box

Hozon certificate by NBTHK


 雲に隠れているのは北斗星。星座は一年をかけて天上を廻る。これに宝珠、蜜柑、橙、鯛、いずれも新年を祝い飾る吉祥の素材。金剛斎月山は京都中町丸屋町下ルの万屋伊右衛門の子で、文化十二年の生まれ。幼くして大坂の炭問屋に養子に出されるが、いかなる縁か彫金に興味を抱き、十二歳で川原林秀興に師事し、大月派の作風にさらに厳しさを加えた独特の描法を確立した(注)。本作は、鍛えた鎚の痕跡を残す鉄地を高彫とし、雲は大月流、鯛と蜜柑、橙などは極肉高の写実描写に厚手の金を被せた鮮やかな象嵌としている。 

注…『銀座情報』一八九号、三九三号参照。



吉祥文散図鐔 銘 金剛斎月山

吉祥文散図鐔 銘 金剛斎月山

   


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