刀
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今は亡き宮入昭平師の作風を最も良く継承する作家の一人として知られる上林恒平刀匠は、山形県藤島町(現鶴岡市)の生まれ。高校卒業と同時に昭平師の内弟子となり、六年後には新作刀展に初出品して努力賞を、以降毎年着実に実績を上げ、修行満九年の昭和五十一年に独立、山形県の長谷堂に鞴を構えた。同五十四年より六十年まで、二回の高松宮賞を含む七年連続の特賞の偉業を樹立して無鑑査に認定され、その後は一心不乱に古名刀の再現に取り組み、真実追求を目的に迂遠とさえ思えるほどに時間を費やし、常に「師匠に対して恥ずかしくない仕事を」を念頭に置いて作刀に勤しんだ誠実一路の人である。 |
Ginza
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