波濤雲龍図鐔
銘 月山


江戸時代後期 山城国京都
鉄石目地泥障形高彫象嵌打返耳
縦 74mm 横 68㎜
 切羽台厚さ 3㎜
特製落込桐箱入


特別保存刀装具鑑定書


Tsuba
"Hatou, Unryu"
signature: GASSAN

late Edo period / Kyoto city,Yamashiro province
made of iron
Size; 74mm×68mm×3mm
Special Kiri Box

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK


 松尾月山は文化十二年京都の生まれ。十二歳で京の名流大月派の川原林秀興に入門、秀でた彫刻技術だけでなく、図柄構成においても他を圧する存在感を示して大成した。この鐔は、鍛え強く緻密に詰んだ鉄地を微細な石目地に仕上げ、打返耳で大宇宙を切り取ったように画面とし、微妙な鋤彫と立体的高彫で黒雲をまとって天上へと舞い上がる緊張感に満ち満ちた龍神を彫り描いている。裏面は今龍神が現れた海原。鉄色黒くしっとりとし、この工独特の空気感が表現されている(注)。松尾月山の正真作は世に稀く貴重である。

注…『銀座情報』一八九号に重要刀装具指定の雨龍図鐔を掲載。



波濤雲龍図鐔 銘 月山

波濤雲龍図鐔 銘 月山

   

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