大小一腰
太刀　銘　隠岐國住人沖光作之　昭和丙辰年八月日
脇差　銘　隠岐國住沖光作之　平成二年二月日

Daisho Hito-koshi
Tachi: Oki no kuni junin OKIMITSU kore wo tsukuru
Showa Hinoe-Tatsu no toshi 8 gatsubi
Wakizashi: Oki no kuni ju OKIMITSU kore wo tsukuru
Heisei 2 nen 2 gatsubi

原沖光　島根県西ノ島町
Hara Okimitsu, lived in Nishinoshima city, Shimane prefecture

太刀 (Tachi = "Dai")
昭和五十一年作品　Forged in 1976 (Showa 51)
刃長 二尺四寸二分三厘 Edge length; 73.4cm
反り 七分九厘 Sori (Curvature); approx.2.4cm
元幅 一寸一分二厘 Moto-haba(Width at Ha-machi); approx. 3.4cm
先幅 七分六厘半 Saki-haba (Width at Kissaki); approx. 2.32cm
棟重ね 二分四厘強
鎬重ね 二分六厘強 Kasane (Thickness); approx. 0.79cm

脇差(Wakizashi = "Sho")
平成二年作品　Forged in 1990 (Heisei 2)
刃長 一尺五寸三分 Edge length; 46.3cm
反り 三分六厘 Sori (Curvature); approx.1.09cm
元幅 九分七厘半 Moto-haba(Width at Ha-machi); approx. 2.96cm
先幅 七分二厘半 Saki-haba (Width at Kissaki); approx. 2.2cm
棟重ね 一分九厘
鎬重ね 二分一厘半 Kasane (Thickness); approx. 0.65cm

大小共彫刻 表裏 棒樋丸止　Engraving: "Bo-hi, maru-dome" on the both sides
大小共　金着二重ハバキ　白鞘付
Gold foil double Habaki, Shirasaya (Both Tachi and Wakizashi)

太刀　昭和五十一年島根県登録
脇差　平成二年島根県登録

　原沖光（おきみつ）刀匠は寛と称し、父の初代沖光が興した包丁など打刃物業「隠岐沖光刃物」の二代目で、昭和三年の生まれ。子供の頃から父の傍らで鍛冶の手伝いをし、戦時中は陸軍の受命刀工に認定された父を補佐して刃味の良い軍刀を鍛造していた。その技術を受け継ぎ、戦後再び打刃物を製作する傍らで備前古作の再現を研究し、殊に長舩長光を想わせる互の目丁子出来を得意としている。
　大小に揃えられたこの作も、いずれも長光写し。大刀は寸法長く腰反り深く、先反りがわずかに付いた堂々たる太刀姿で、重ね厚く平肉が付いて手持ちもどっしりとしており、鎌倉期の古作の原姿を想わせる出来。板目流れに小板目肌を交えた地鉄は古調に肌起ち、細やかな地沸で覆われる。刃文は区下焼き込みから始まる逆ごころの互の目丁子で、長い足が盛んに入り、帽子はわずかに弛んで先小丸に返る三作帽子。焼刃は匂口に柔らか味があり、刃中も匂が満ちて明るい。
脇差も長光写しながら、太刀を磨り上げて手頃な寸法に仕立て直したようにバランスが良い。地鉄は板目に小板目肌が交じり、細かな地沸が付いて柔らか味がある。刃文は大刀と同じ逆ごころの互の目丁子。帽子は弛んで先小丸に浅く返る。匂出来の焼刃は柔らか味があり、鋭く長い足が盛んに射して重花丁子の趣がある。