脇差
Hizen province, Kanbun era, early Edo period, late 17th century, about 350 years ago 平成十六年埼玉県登録 価格 900,000 円(消費税込) |
江戸時代前期の肥前を代表する名工近江大掾忠廣の、常にない変化に富んだ乱れ出来の一口。忠廣は山城国来派などを手本に、緻密に詰んだ小板目肌鍛えの地鉄に直刃を焼くを得意として作刀に励み、主鍋島家の繁栄に貢献した偉大な人物。天和二年六十九歳の時、忠廣は藩主世子綱茂より古にも新作にもない珍しい刃採りからなる刀の製作を命じられ、奇抜に堕すことのない表裏が直刃と乱刃の所謂「児手柏(注@)」を焼き、改めて忠吉家当主の面目を保つとともに信頼を厚くしたという(注A)。 注@…手掻包永の磨り上げ刀。「兵部大輔藤孝磨上之異名号児手柏 天正二年三月十三日」と銘があり、細川幽斎藤孝が仕立て直したことが知られている。 |
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