金象嵌銘 國時 本阿弥光遜[花押]
(大業物)


Katana
Kin-zogan mei: KUNITOKI
Hon'ami Koson [Kao]
(O Wazamono)



肥後国 南北朝初期建武頃 約六百八十年前
Higo province, Kenmu era, early Nanboku-cho period, early 14th century, about 680 years ago

刃長 二尺二寸八分 Edge length; 69.1cm
反り 六分六厘 Sori (Curveture); approx.2cm
元幅 一寸五厘強 Moto-haba(Width at Ha-machi); approx. 3.19cm
先幅 七分六厘半 Saki-haba (Width at Kissaki); approx. 2.32cm
棟重ね 二分
鎬重ね 二分強 Kasane (Thickness); approx. 0.61cm
彫刻 表裏 棒樋掻通し Engraving: "Bo-hi, Kaki-toshi" on the both sides
金着二重ハバキ 白鞘付 Gold foil double Habaki / Shirasaya

葵紋錦包鞘太刀拵入 Aoi mon nishiki tsutsumi saya, tachi koshirae
拵全長 三尺二寸六分 Whole length: approx. 98.8cm
柄長 七寸七分 Hilt length: approx. 23.4cm


平成二十九年愛媛県登録
重要刀剣
JUYO 

 

 蒙古軍の襲来に備えるべく、山城国より肥後国菊池氏に招聘された延壽國村を棟梁とする國資、國吉、國泰、國時などの鍛冶集団は、来國行より受け継いだ新趣の高い技術を備え、山城本国の風合いと古調な九州地鉄の融合を果たした独特の作風を示し、鎌倉末期から南北朝時代にかけて菊池郡隈府の地で大いに栄えた。中でも遺されている作が多く、延壽鍛冶を代表するのが國村の子とも弟子とも伝える國時である(注)。
 磨り上げられて扱い易い寸法とされたこの刀は、未だ元先の身幅が広く重ねしっかりとし、中間で大きく反った南北朝時代に特徴的な雄大な原姿が想い浮かぶ出来。操作性を考慮して掻き通された樋は深く、拵に装着して手持ちバランスが良い。小板目に小杢目と柾目、板目を交えた地鉄は、濃密に入る地景によって肌目が奇麗に起つも総体に均質に鍛えられており、九州古作物の特質でもある淡く白ける映りが全面に現れ、その濃淡変化に富んだ景色に、さらに区上辺りには地斑状の働き、物打辺りには刃に沿った直映りも加わって変幻の趣がある。細直刃の刃文は、刃中小乱状に小足が入り、端正に焼かれた帽子は先大丸にわずかに返る。匂口柔らか味のある焼刃は叢沸もなく、わずかにほつれ掛かり極上の山城来伝となっている。茎には、本阿弥光遜師の手になる金象嵌が施されている。
 付されている拵は、葵紋を織り出した錦で包んだ鞘に、唐草紋片切彫を施した金色絵の総金具で装い、金這龍目貫を出目貫とした略太刀様式。

注…重要文化財指定の太刀が三振。

 

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國時押形
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