刀 刃長 二尺三寸九分九厘 Edge length; 72.7cm |
黒船来航という未曽有の国難の最中で活躍したのが九代忠吉。この刀は家督継承直後の作とみられ、身幅広く反り高く鎬筋立って中鋒の、初代忠吉を想わせる好姿。良く詰んだ小杢目に錬り鍛えられた地鉄は、地景が細かに入り地沸が微塵に付いて肌の潤う肥前伝統の小糠肌。直刃の刃文は純白の小沸で刃縁が明るく、小足が無数に入り、刃境には飛足が連なって二重刃ごころとなり、小形の金線働き、沸匂が満々として刃色が明るく爽やか。帽子は肥前帽子。浅い勝手上がり鑢で丁寧に仕立てられた茎の手触りは優れ、真円形の目釘穴にも清潔感があり、溌溂たる鑚使いで刻された肥前國忠吉(ごじただ)銘が鮮明。 |
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