短刀
銘　剣竜子貞晴
明治四年二月日

Tanto
Kenryushi Sadaharu
Meiji 4 nen 2 gatsubi

摂津国　明治　百四十七年前

刃長 六寸五分 Edge length; 19.7cm
内反り curved go to inner (Uchizori)
元幅 七分二厘半 Moto-haba(width at Ha-machi); approx. 2.2cm
重ね 二分三厘 Kasane(thickness); 0.7cm
金着一重ハバキ　白鞘付

一分刻黒漆塗鞘合口短刀拵入
Ichi-bu kizami Kuro urushi-nuri saya, aikuchi tanto koshirae
拵全長 一尺七分　Whole length; approx. 32.42cm
柄長 二寸八分　Hilt length; approx.　8.49cm

平成九年東京都登録

保存刀剣鑑定書　Hozon certificate by NBTHK

価格　1,200,000円（消費税込）

　この短刀は古作左文字を手本にしながらも、相手の武器をも受け止められる重ねの厚い造り込みとした、頑丈な作。重ね厚く、身幅尋常にふくらを枯らせた凄みのある姿格好。小板目鍛えの地鉄は密に詰んで柾状にゆったりと流れ掛かる肌が刃寄りに浮かび、刃文は足が刃先まで延びた小互の目で、匂口明るく冴え冴えとし、刃境を金線が長く入り、刃中にも砂流しを伴う金線が幾重にも連なり、帽子は浅く弛み込んで捌き頭状に掃き掛けて返る。
作者は月山貞吉の門下で学び、師との合作も遺している大坂の名工剣竜子貞晴。
綺麗に揃った浅い一分刻の鞘に、銀地高彫金具を備えとした、合口短刀拵が付されている。梅樹に猛禽図小柄は東龍斎派の優工寛真齋義景の精密な彫刻表現で、銀地に赤銅と金が鮮やかな作。老松図縁頭、口金、栗形、鐺、瓦金は、義晴の一作。磨地高彫り片切彫、松ぼっくりに金色絵が加えられてこれも精緻。柄は鯨巻とされている。