脇差 刃長 一尺五寸二分四厘 Edge length; 46.2cm
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名工武蔵大掾忠廣(初代忠吉)の名跡を継いだのは若干十九歳の嫡子新左衛門、後の近江大掾忠廣。表題の脇差は、寛永十年八月、この頃の作。江戸初期の時代を映して寸を控えめに身幅広く両区深く中鋒に結び、鎬筋が屹然と立って庵棟やや高く、適度に反って凛とした美しい姿。小板目鍛えの地鉄は、小粒の地沸が厚く付いて鉄色明るく、地景が太く細くと働いて地肌に躍動感が漲り、溌溂たる肌合い。直刃の刃文は沸付いて刃縁明るく小模様に乱れて変化に富み、区上辺りには太い金筋が踊り、細かな沸の粒子で明るい刃中には沸足が溶け込み葉が浮かび、特に物打付近では葉が連続して二重刃の様相を呈するなど放胆味ある構成。 |
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