脇差 特別保存刀剣 Tokubetsu-hozon
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陸奥介弘元は奥州二本松の鉄砲鍛冶の家に生まれ、幼名を東蔵、後に幸之進。刀鍛冶を志して仙台に出、十一代國包に師事して國秀と銘し、享和三年二十六歳頃には宗次、文化六年より匠銘を弘元に改める。文化二年には江戸に出て水心子正秀の弟子となり、師の復古刀理論を学んだためであろうか司馬江漢に就いて物理学を修め、文化八年七月には『刀を作る記』を上梓し、科学的焼き入れ方法や湯の温度、発錆の理論等を展開して並みの職人ならざる一面を窺わせている。陸奥介の受領は文政三年十月十三日で、以降天保十三年五月に六十六歳で没するまで、作刀にこの受領銘を冠している。 |
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