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銘 造大慶直胤(花押)
天保七年仲春

Katana
signature Taikei Naotane tsukuru (Kao)
Tenpo 7 nen Chushun

出羽国‐武蔵国 天保  五十八歳 百八十二年前
Dewa - Musashi province / Tenpo 7 (1837A.D. late Edo period), 182 years ago

刃長 二尺四寸八分八厘 Ha-cho (Edge length); 75.4cm
反り 七分 Sori (Curveture); approx.2.12cm
元幅 一寸五厘強 Moto-haba (width at Ha-machi); approx.3.18cm
先幅 七分二厘 Saki-haba (width at Kissaki); approx.2.18cm
棟重ね 二分二厘
鎬重ね 二分三厘 Kasane (thickness); approx.0.7cm
金着二重ハバキ 白鞘付 Gold foil double Habaki, Shirasaya

黒石目地塗鞘打刀拵入 Kuro ishime-ji nuri saya,uchigatana koshirae
拵全長 三尺五寸 Whole lengt; approx.106.1cm
柄長 八寸三分 Hilt length; approx.25.2cm

『新々刀大鑑』所載 Put on "Shin-shin toh Taikan"

昭和二十九年埼玉県登録

特別保存刀剣 Tokubetsu-hozon

価格 4,500,000円(消費税込)

 江戸時代後期の名匠として夙に声名高い直胤は、安永八年出羽国山形城下鍛冶町の生まれで、名を荘司箕兵衛という。寛政十年頃に江戸に出て同郷の先達水心子正秀に入門し、文化九年には秋元家に仕官している。師正秀の作刀技術と理念を継承して古作研究に没頭し、景光や兼光に私淑して備前伝を、あるいは正宗や志津兼氏を範に相州伝を精鍛し、刀史に偉大な足跡を遺している。
天保七年仲春の作になるこの刀は、柾目肌が顕著で沸強い作風から相州上工の郷義弘を念頭に精鍛されたとみられる一口(注@)。身幅広く重ね厚く中鋒の堂々たる造り込みで、僅かに生ぶ刃を残す健全体。小板目鍛えの地鉄は大きく流れて柾となり、肌目に沿って地景が入り、これに沿って小粒の地沸が美しく流れ、鉄色は澄明。互の目乱の刃文は、柾鍛えに感応して金線、砂流しが長く幾重にも掛かって刃境茫洋として郷を想起させ、銀の砂のような沸が光を強く反射して眩く輝き、さらに島刃状に沸の凝る様子が現れて変化に富み、粒子の細かな沸が充満して照度が抜群に高い刃中に太い沸足が入る。乱れ込んだ帽子は表が掃き掛けて小丸に、裏は強く掃き掛けて浅く返る。茎の保存状態は良好で未だ錆浅く底白く輝き、化粧鑢の施された筋違鑢が丁寧に掛けられ、太鑚で力強く刻された銘字(注A)に揺るぎない自信が現れている。南紀重國、真改、虎徹らの名工にも影響を与えた郷義弘への憧れと研究の深さが示された傑作(注B)である。
黒石目地塗の鞘に桐紋紗綾文図縁頭と鐺の揃金具を備え、鐔も桐紋唐草図で、菊水図目貫を巻き込んだ、江戸肥後造の打刀拵が付されている。

注@…「由虎好之」の注文銘入り二尺二寸五分の同年紀の刀は本作と極めて似た作風。由虎は伊能宗右衛門といい、江戸に道場を構えた宝蔵院流の槍の名手。
注A…『日本刀大鑑新刀篇二』は、天保七年十一月吉日の刻印「シナノ」の刀の銘字について「筆に墨をたっぷりとつけて書いたような鏨太、雄大な銘字に自信があふれている」と評している。
注B…『新々刀大鑑』は「地刃健全にして出来傑作」と絶賛している。

刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春黒石目地塗鞘打刀拵 刀身 刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 白鞘

刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 切先表刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 中央表

刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 中央表刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 ハバキ上表




刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 切先裏刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 中央裏

刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 中央差裏刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 ハバキ上差裏

刀 銘 造大慶直胤(花押) 天保七年仲春 ハバキ




直胤押形
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