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短刀 銘 兼先 Tanto Kanesaki 美濃国 永正頃 約五百十年前
刃長 七寸五分九厘 Edge length; 23cm 内反り curved on the inside (Uchizori) 元幅 七分 Moto-haba(width at Ha-machi); approx. 2.12cm 重ね 一分八厘 Kasane (thickness); approx. 0.55cm 金着二重ハバキ 白鞘入 平成十一年兵庫県登録 特別保存刀剣鑑定書 Tokubetsu-hozon certicirate by NBTHK
兼先は室町時代の美濃国関の刀工。その優れた作刀技術を買われて、加賀、越中、近江、但馬、越後、越前等、全国の城下町に進出し繁栄している。兼先の現存する作品で最も古い作は永正六年己巳吉日紀の濃州関住兼先作の刀(注)。 表題の短刀は永正兼先の作。身幅重ね尋常で内反り僅かにつき、ふくらやや枯れ、鎌倉後期の来國俊を想起させる端正な姿。地鉄は板目に流れごころの肌を交えて詰み、小粒の地沸が厚くついて締まり、刃に沿って黒く澄み、平地に白く霞のような関映りが立つ。刃文は直刃、古名刀の多くと同様に刃区を焼き込み、純白の小沸で刃縁きっぱりと締まって明るく、小足無数に入り、刃境に小形の金線、砂流し、沸筋かかり、刃中は匂で澄む。帽子は突き上げて小丸に品よく返る。小品ながら出来優れ、永正兼先の全貌を伝えて貴重である。
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