v603
鐔 無銘(平安城象嵌) 蜂・堂宇・蛇籠図

Tsuba
no sign (Heianjo zogan) "Hachi, Jakago"

ご成約を賜りました Sold out
鐔 無銘(平安城象嵌) 蜂・堂宇・蛇籠図

(length)70.7mm (width)65.9mm 切羽台厚さ(thickness)3.8mm
重量(weight)115g
鉄石目地変り木瓜形真鍮象嵌平象嵌 made of iron, Kawari-mokko shape, inlay
桃山時代 Momoyama period

 実に素朴な作風が魅力的な時代の上がる真鍮象嵌鐔。堂宇、蜂、蛇籠、片輪車…と一見脈絡のない画題が散りばめられているが、これは何を意味するものなのだろうか?そもそも描かれているモチーフ自体がなんだか判然としないものすらある。
現代を生きる我々にその図柄の持つ意味を完全に理解することは難しい。だがそこに、そこにこそ、古い鐔の楽しさがあるように思う。
変り木瓜形に作り込んだ鉄地は味が良く、微細で浅い鏨を打打ち込み簡素な石目に仕立て、目を凝らすと地鉄に溶け込むようにごく細い真鍮の線象嵌が微かに残っている。蛇籠は上方(京)の作によく見られるモチーフ。桃山時代の平安城象嵌の鐔工往久(鍔には示篇に生と刻されている)の作をどことなく想起させる。





Ginza Choshuya FineswordGinza CHOSHUYA